退職後に使えるお金の制度一覧|7つの給付金ガイド

制度解説・基礎知識

正社員2年目で会社を辞めた。アルバイト時代は雇用保険すら知らなかったから、「退職後に使える制度」で検索しても、何が自分に当てはまるのかわからない。情報の多さに圧されて画面を閉じた夜がある。

退職後に使えるお金の制度は、大きく7つ。この記事で金額・条件・申請先を一覧にまとめた。公式LINEでも制度まわりの情報を配信しているので、あわせてどうぞ。

退職後に使える7つの制度の概要

退職後に利用できる公的制度は、目的別に3つのカテゴリに分けられる。

① 収入を補う制度

傷病手当金——病気やケガで働けないとき、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される。対象は健康保険(協会けんぽ・組合健保)の加入者。退職後も、在職中に1年以上継続加入していた等の条件を満たせば受給を続けられる。条件の詳細は傷病手当金の条件をわかりやすく解説にまとめてある。

失業保険(雇用保険の基本手当)——退職後に再就職を目指す人が対象。離職前の給与の50〜80%が、90〜330日間支給される。自己都合退職の場合、原則2ヶ月の給付制限がある。受給開始のタイミングは失業保険の受給開始はいつから?で解説している。

② 医療費を抑える制度

自立支援医療制度——心療内科・精神科の通院費の自己負担が3割から1割に下がる。対象は通院による精神医療を継続的に受ける人。申請先は市区町村の障害福祉窓口。

高額療養費制度——月の医療費が自己負担上限額を超えた場合、超過分が払い戻される。上限額は年収によって異なり、年収約370万円以下なら月57,600円が上限になる。

③ 固定費を減らす制度

国民健康保険の減免——退職による収入減を理由に、国保の保険料を軽減できる。非自発的離職(特定受給資格者・特定理由離職者)の場合、前年給与を30/100として計算される。

国民年金の免除・猶予——収入が一定以下の場合、保険料の全額免除・一部免除・猶予が受けられる。退職特例を使えば、前年所得を除外して審査してもらえる。

住居確保給付金——離職後に住まいを失うおそれがある人に、家賃相当額(上限あり)が原則3ヶ月、最長9ヶ月支給される。申請先は自治体の自立相談支援機関。

7制度を一覧で比較すると、以下のとおり。

制度名 目的 金額の目安 期間
傷病手当金 収入補填 給与の約2/3 最長1年6ヶ月
失業保険 収入補填 給与の50〜80% 90〜330日
自立支援医療 医療費軽減 自己負担1割に軽減 1年ごと更新
高額療養費 医療費軽減 上限超過分を還付 月単位で申請
国保減免 保険料軽減 保険料の軽減 年度内
年金免除・猶予 保険料軽減 全額〜一部免除 申請年度内
住居確保給付金 家賃補助 家賃相当額(上限あり) 原則3ヶ月(最長9ヶ月)

各制度の受給条件|あなたに当てはまるのはどれか

7つすべてが使えるわけではない。自分の状況に合った制度を絞り込むために、以下のフローチャートで確認してほしい。

Q1. 退職の原因は病気・ケガ・メンタル不調か?

→ はい:傷病手当金の対象になる可能性が高い(在職中に健康保険に1年以上継続加入していることが条件)
→ いいえ:Q2へ

Q2. 働ける状態で、再就職を目指しているか?

→ はい:失業保険の対象。ハローワークで求職の申し込みが必要
→ いいえ(病気で働けない):失業保険の受給期間延長を申請し、回復後に受給を開始する

Q3. 心療内科・精神科に通院している、または予定があるか?

→ はい:自立支援医療制度で自己負担を1割に。月の医療費が高い場合は高額療養費制度も併用できる

Q4. 退職後の国保・年金の支払いが厳しいか?

→ はい:国保減免年金免除・猶予をセットで申請。市区町村の窓口でまとめて手続きできる

Q5. 家賃の支払いが厳しい、または住まいを失いそうか?

→ はい:住居確保給付金の対象になりうる。収入・資産の要件あり

ポイントは、複数の制度を組み合わせられること。自分は傷病手当金+自立支援医療+年金免除の3つを併用した。月給20万円で傷病手当金は月約13万円。通院費は自立支援で月1,500円ほどまで下がった。「どれか1つだけ」ではなく、使えるものは全部使う。それが基本になる。

金額・申請窓口・必要書類の早見表

各制度の申請に必要な情報を早見表にまとめた。

制度名 申請先 主な必要書類 申請〜支給の目安
傷病手当金 加入する健保組合 支給申請書・医師の意見書・事業主証明 約1ヶ月
失業保険 管轄のハローワーク 離職票・マイナンバーカード・証明写真・通帳 自己都合:約2ヶ月+7日後
会社都合:約7日後
自立支援医療 市区町村の障害福祉窓口 申請書・診断書(指定様式)・保険証・課税証明書 1〜2ヶ月
高額療養費 健保組合 or 市区町村(国保) 支給申請書・医療費の領収書 約3ヶ月
国保減免 市区町村の国保窓口 減免申請書・離職票 or 受給資格者証 申請月から適用
年金免除・猶予 市区町村の年金窓口 免除申請書・離職票 or 受給資格者証 結果通知まで約2ヶ月
住居確保給付金 自立相談支援機関 申請書・離職関係書類・収入資産証明・賃貸契約書 約2〜4週間

月給別の受給額シミュレーションも載せておく。退職後の収支を見積もるときに使ってほしい。

退職前の月給 傷病手当金(月額目安) 失業保険(月額目安)
18万円 約12万円 約13〜14万円
22万円 約14.6万円 約14〜16万円
28万円 約18.6万円 約16〜18万円
35万円 約23.3万円 約18〜20万円

※ 傷病手当金は標準報酬月額の2/3で算出。失業保険は年齢・勤続年数・離職理由によって変動する。退職後のお金の見通しの立て方は退職後のお金の不安を解消する方法でも詳しく解説している。

申請時の注意点

3つ、見落としやすいポイントがある。

① 傷病手当金と失業保険は同時にもらえない。傷病手当金は「働けない人」、失業保険は「働ける人」が対象。両方に同時に該当することはない。まず傷病手当金を受給し、回復後に失業保険へ切り替えるのが基本ルートになる。ただし、失業保険の受給期間(原則1年)が切れないよう、退職後すぐに「受給期間の延長」をハローワークで申請しておくこと。

② 申請には期限がある。傷病手当金の時効は2年。失業保険は退職翌日から1年以内に受給を終える必要がある(延長手続きをした場合を除く)。国保減免や年金免除も年度ごとの手続き。退職したら、早めに動くに越したことはない。

③ 離職票は複数の制度で使う。失業保険・国保減免・年金免除の申請で必要になる。退職後、会社から届くまで10日〜2週間ほどかかるケースが多い。届かない場合はハローワークに相談できる。届いたらコピーを取っておくと、各窓口での手続きがスムーズに進む。

次のアクション

制度ごとの詳しい解説や申請手順は、以下の記事にまとめてある。

    • 傷病手当金の条件を確認したい → 傷病手当金の条件をわかりやすく解説
    • 失業保険の受給開始時期を知りたい → 失業保険の受給開始はいつから?
    • 自立支援医療の申請手順を知りたい → 自立支援医療制度の申請手順
    • 国保減免・年金免除の手続きを知りたい → 退職後の国保減免・年金免除の条件と手続き
    • 診断書のもらい方を知りたい → 適応障害の診断書のもらい方
    • 退職後のお金の不安を整理したい → 退職後のお金の不安を解消する方法

まとめ

退職後に使える制度は7つ。知っているかどうかで、月の収支がまるで変わる。

自分も最初は何も知らなかった。アルバイトから正社員になって2年、社会保険の仕組みすらあやふやなまま辞めた。でもひとつずつ調べて、ひとつずつ窓口に足を運んで、全部自分で手続きした。

この記事が「とりあえず調べてみるか」の入り口になれたら、それでいい。

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※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
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