休職中に転院したい。オンラインへの切り替え方法

オンラインクリニック

月に1回の通院日。片道1時間の電車、待合室で30分、診察は10分。帰り道で疲れ切って、翌日はベッドから起き上がれない。

休職中なのに、通院そのものが身体に堪える。「オンラインに切り替えられないか」——そう考えて検索しているなら、結論から書くと、休職中でも転院は可能だ。紹介状がなくても受け入れてくれるオンラインクリニックはある。この記事では、転院の具体的な手順と、傷病手当金が途切れないための注意点、診断書の引き継ぎ方法をまとめた。公式LINEでも制度まわりの情報を配信しています。あわせてどうぞ。

休職中の転院と傷病手当金への影響

休職中に通院がつらくなるのは珍しいことではない。休職前は通勤で外出の習慣があっても、休職が数ヶ月続くと外出そのもののハードルが上がっていく。最寄り駅まで歩くだけで消耗する——そんな状態で片道1時間の通院を毎月続けるのは、正直きつい。

心療内科を変えること自体は、法的にも制度的にも問題ない。患者には医療機関を自由に選ぶ権利(フリーアクセス)があり、主治医の許可も不要。転院に理由を問われることもない。

ただし、傷病手当金を受給中の場合は注意が必要です。傷病手当金の申請書には「療養担当者(医師)の意見書」欄があり、医師が「労務不能」と証明する仕組みになっている。転院すると記入する医師が変わるため、前のクリニックの証明期間と新しいクリニックの証明期間に空白ができると、その期間の支給が認められないリスクがある。

転院自体はいつでもできる。ただし「傷病手当金を途切れさせない転院」には、タイミングの設計が必要になる。

オンラインクリニックへの転院手順

Step 1:転院先のオンラインクリニックを探す

紹介状(診療情報提供書)がなくても初診を受け付けるオンラインクリニックは多い。紹介状があれば初診がスムーズになるが、「前の主治医に頼みにくい」「もう関わりたくない」という理由で転院を先延ばしにする必要はない。

転院先を選ぶときに確認したいポイントは以下のとおりです。

    • 精神科・心療内科のオンライン診療に対応しているか
    • 初診からオンラインで受けられるか
    • 診断書の発行に対応しているか(傷病手当金の意見書欄の記入を含む)
    • 問診票に「他院からの転院」の選択肢があるか

紹介状なしでも受け入れるオンラインクリニックには、いくつかの共通点がある。初回の問診時間を長めに確保している(30分前後)、転院を前提とした問診票の導線がある、傷病手当金の意見書対応に慣れている——こういったクリニックを選べると、転院のハードルはかなり下がる。

オンライン心療内科の受診が初めてなら、受診の流れをまとめた記事も参考になると思う。

Step 2:現在の主治医に転院を伝える

法的には主治医の許可は不要。それでも「先生に言い出しにくい」という声は多い。伝え方に悩むなら、「通院の負担が大きいので、オンラインに切り替えたいです」とそのまま話せばいい。転院の理由を詳しく説明する義務はない。

可能であれば、紹介状(診療情報提供書)を書いてもらう。これまでの診療経過・診断名・処方内容がまとまるため、転院先での初診がスムーズになる。紹介状の作成には1〜2週間かかるのが一般的です。費用は3割負担で約2,500円前後。

紹介状なしで転院する場合は、お薬手帳や処方明細を手元に用意しておくと経過を伝えやすい。処方中の薬の名前と量がわかれば、初診時の情報としては十分なことが多い。

Step 3:新しいクリニックを予約・初診を受ける

オンラインクリニックの初診予約はWebが基本。問診票の入力、本人確認書類の提出、保険証の登録をオンラインで済ませて、予約日時にビデオ通話で診察を受ける。

初診時に伝えておくべきこと:

    • 他院からの転院であること
    • 現在の診断名と、症状の経過
    • 処方中の薬の名前と量(お薬手帳があると確実)
    • 傷病手当金を申請中であること(意見書欄の記入が必要な旨)

事前に経過をメモにまとめておくと、画面越しでも伝えやすくなる。「いつ頃から症状が出たか」「現在の処方内容」「前の主治医の診断名」、この3点が整理できていれば初診で困ることは少ない。

Step 4:傷病手当金の意見書を引き継ぐ

ここが最も大事な部分。傷病手当金の申請書にある「療養担当者の意見書」欄は、転院前後でそれぞれの医師に記入してもらう必要がある。

空白期間を作らないためのポイント:

    • 転院前のクリニックに、最終通院日までの期間の意見書を書いてもらう
    • 転院後のクリニックに、初診日以降の期間の意見書を書いてもらう
    • 2つの期間がつながるよう、転院のタイミングを調整する

たとえば、前のクリニックの最終通院日が3月15日なら、新しいクリニックの初診は3月16日以降のできるだけ近い日に入れる。間が空けば空くほど、その期間の「労務不能」を証明しにくくなる。1つの申請期間に2枚の意見書を添付する形になるが、健保組合への提出自体は問題ない。

傷病手当金の申請手続きの全体像は申請の流れをまとめた記事で解説しています。転院後に診断書の更新が必要になったときは、診断書更新の手順をまとめた記事も参考にしてほしい。

転院にかかる費用と時間の目安

項目 費用(3割負担) 目安時間
紹介状(診療情報提供書) 約2,500円 作成に1〜2週間
転院先の初診料(オンライン) 約2,500〜3,000円 診察15〜30分
診断書発行(必要な場合) 約3,000〜5,000円 即日〜1週間

紹介状なしで転院する場合、紹介状の費用はかからない。ただし初診時にこれまでの経過を一から伝える分、問診にやや時間がかかることがある。

転院には一時的な費用が発生するが、毎月の通院にかかる往復の交通費・移動時間と比べると、オンラインへの切り替えは長い目で見て負担を減らせることが多い。往復2時間の通院を月1回、半年続けた場合の交通費と体力の消耗を考えれば、判断材料にはなると思う。

心療内科の診察費用の詳しい内訳は、診断書のもらい方をまとめた記事に整理してあります。

往復2時間の通院をやめるまで

経理の仕事を休職して4ヶ月目のことだった。月に1回の通院日が、毎回小さな山みたいに見えていた。

クリニックまで電車で片道1時間。朝、準備を始めるだけで息が上がる。化粧をして、外出用の服に着替えて、駅まで歩く。たったそれだけのことなのに、前の晩から「明日、行けるかな」と考えてしまう。45歳にもなって、電車に乗ることがこんなにつらくなるとは思わなかった。

転院を決めたあとも、すんなりとはいかなかった。

2年通った主治医に「オンラインに変えたい」と言い出せない。次の診察で言おう——そう思いながら2回やり過ごした。3回目の診察で、待合室の椅子に座りながら「今日こそ言う」と決めて、診察室に入った最後の1分で早口に伝えた。先生は「わかりました」と一言だけ。拍子抜けするほどあっさりしていた。2ヶ月かけて悩んだことが、30秒で終わった。

紹介状は1週間後に届いた。オンラインクリニックの予約はWebで取れたが、問診票の入力画面で手が止まった。「いつ頃から症状がありますか」——2年分の経過を文章にまとめるのが、想像以上にしんどい。途中で何度も消しては書き直して、結局2日がかりで入力を終えた。たかが問診票に2日。でも、あの頃の私にはそれが精一杯だった。

初めてのオンライン診察は、自宅のダイニングテーブルで受けた。パジャマの上にカーディガンを1枚羽織っただけ。画面に映る自分の顔が思ったより疲れていて少し驚いた。でも、終わったあと電車に乗らなくていい。待合室で名前を呼ばれるのを待たなくていい。帰り道がない。その事実だけで、肩の力が抜けた気がした。

まとめ

休職中の転院は、特別なことじゃない。通院が負担になっているなら、それは十分な理由になる。

手順としては、転院先を決めて、前の主治医に伝えて、新しいクリニックで初診を受ける。傷病手当金の意見書に空白を作らないよう、タイミングだけ気をつければいい。

通院のつらさを我慢し続けるより、自分が続けられる形に変えること。それだけで、休職中の日々が少し軽くなることもある。

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※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

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