失業保険の受給開始はいつから?退職理由別に解説

制度解説・基礎知識

退職が決まったとき、真っ先に調べたのが「失業保険って、いつから振り込まれるのか」だった。

答えは退職理由で大きく変わる。自己都合退職なら約2ヶ月半後、会社都合退職なら約1ヶ月後。この記事では、受給開始のタイミング・受給条件・金額の目安をまとめました。

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失業保険(基本手当)とは

失業保険の正式名称は「雇用保険の基本手当」。会社を辞めたあと、次の仕事が見つかるまでの間、生活を支えるための給付金です。ハローワークで手続きをして受け取る。

退職すれば自動的にもらえるわけではない。ハローワークに離職票を持参して求職の申し込みをし、「働く意思と能力がある」と認められて初めて支給されます。

受給開始のタイミングは、退職理由によって以下の3パターンに分かれる。

退職理由 待期期間 給付制限 初回振込の目安
自己都合退職 7日間 2ヶ月 約2ヶ月半後
会社都合退職(特定受給資格者) 7日間 なし 約1ヶ月後
特定理由離職者 7日間 なし 約1ヶ月後

全員に共通するのが「待期期間」の7日間。ハローワークに離職票を提出した日から7日間は、退職理由を問わず支給されません。

自己都合退職の場合、待期期間のあとに「給付制限」が2ヶ月つく(2020年10月以降の離職が対象。5年間で3回目以降の離職は3ヶ月)。ハローワークに行ってから約2ヶ月半、手当は振り込まれない。

一方、会社都合退職(解雇・倒産など)や体調不良を理由にした特定理由離職者には、給付制限がない。待期7日間が終われば支給対象期間に入り、初回認定日(約4週間後)を経て振り込まれます。

受給するための条件

失業保険を受給するには、いくつかの条件を満たす必要がある。

雇用保険の加入期間

退職理由 必要な被保険者期間
自己都合退職(一般離職者) 離職前2年間に通算12ヶ月以上
会社都合退職・特定理由離職者 離職前1年間に通算6ヶ月以上

正社員なら通常は雇用保険に加入している。パート・アルバイトでも、週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば加入対象です。離職票に被保険者期間が記載されるので、退職時に受け取ったら確認しておくといい。

そのほかの条件

    • 就職する意思と能力があること
    • ハローワークに求職の申し込みをしていること
    • 病気やケガで「すぐには働けない」状態ではないこと

3つ目がポイント。うつや適応障害で退職した場合、「今すぐ働ける」状態でなければ失業保険は受給できない。その場合は、まず傷病手当金の申請を検討したほうがいい。条件の詳細は傷病手当金の条件をわかりやすく解説にまとめています。

体調が回復して求職活動ができるようになったら、受給期間の延長手続き(最大プラス3年)を使って、あらためて失業保険を申請できます。「今は働けないけど、将来的には受け取りたい」という場合でも、離職後早めにハローワークで延長手続きだけは済ませておくこと。

金額と給付日数

金額の目安

失業保険の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、離職前6ヶ月間の賃金をもとに計算されます。

計算式:賃金日額(離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180)× 給付率(45〜80%)

ざっくり言えば、月給の50〜80%が目安。賃金が低いほど給付率は高くなる仕組みです。

離職前の月給(額面) 基本手当日額(目安) 月額換算(目安)
20万円 約4,900円 約13〜15万円
25万円 約5,800円 約15〜17万円
30万円 約6,400円 約17〜20万円

※ 年齢や扶養の有無、賞与の有無によって変動する。上の数字はあくまで目安として参考にしてほしい。

給付日数

手当をもらえる日数も、退職理由と雇用保険の加入期間で変わる。

加入期間 自己都合退職 会社都合退職(30〜44歳の場合)
1年以上5年未満 90日 180日
5年以上10年未満 90日 240日
10年以上20年未満 120日 270日
20年以上 150日 330日

※ 会社都合退職の給付日数は年齢区分によっても異なります。上表は30〜44歳の場合。

自己都合退職で加入期間が10年未満なら、給付日数は90日。月額に換算すると約3ヶ月分になる。「思ったより短い」と感じるかもしれないが、特定理由離職者に該当すれば給付日数が大幅に増える可能性がある。

見落としがちな注意点

最初の振込まで「無収入期間」がある

自己都合退職の場合、最初の振込まで約2ヶ月半かかる。この間は収入ゼロ。私も退職から2週間後にようやくハローワークに行き、この説明を受けた日に帰宅してから電卓を叩き直した。2ヶ月分の生活費は、事前に確保しておいたほうがいい。

傷病手当金との同時受給はできない

傷病手当金と失業保険を同じ期間に受け取ることはできない。どちらを先にすべきか迷う場合は、傷病手当金と失業保険どっちが得?切り替えの最適解を読んでおくといい。

受給期間は原則「離職から1年」

失業保険を受け取れる期間は、離職日の翌日から1年間。この期間を過ぎると、給付日数が残っていても打ち切りになります。体調不良で申請が遅れそうな場合は、受給期間の延長手続きを早めに済ませておくこと。

次のアクション

失業保険の具体的な申請手続きは、退職後の失業保険の申請方法にStep形式でまとめています。離職票の取得からハローワークでの手続きまで、順番に確認できる。

「自己都合退職だけど、体調不良が理由だった」という人は、特定理由離職者の条件と手続きを読んでおくといい。認定されれば給付制限がなくなり、受給開始が大幅に早まる。

まとめ

失業保険の受給開始は、退職理由ひとつで1ヶ月以上の差が出る。自己都合なら約2ヶ月半、会社都合や特定理由離職者なら約1ヶ月。

このタイミングを把握しているだけで、退職後の資金計画はまるで違ってくる。あとは必要な手続きを、順番に進めていくだけ。

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※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

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