退職した翌月、スマホで「傷病手当金 申請」と検索した。画面に並ぶ「退職給付金サポート」の広告。「最大○○万円受給」「プロにおまかせ」——疲れた頭には、正直かなり魅力的に映った。
でも料金のページを開いて、スクロールする指が止まった。成功報酬で10〜15%。固定費なら数十万円。
この記事では、退職給付金サポートの主なサービスを比較し、料金体系・サポート内容・口コミの傾向をまとめた。自力で申請した場合との費用差も、テーブルつきで整理している。
公式LINEでも制度まわりの情報を配信しているので、あわせてどうぞ。
退職給付金サポートとは何をしてくれるのか
退職給付金サポートとは、退職後に受け取れる公的給付金——傷病手当金、失業保険(雇用保険の基本手当)、各種減免制度——の申請手続きを代行・支援するサービスの総称。
主なサポート内容は以下のとおり。
- 受給可能な制度の診断(傷病手当金・失業保険・年金免除など)
- 申請書類の作成支援・代行
- 医療機関の紹介(診断書取得のサポート)
- 申請スケジュールの管理
- 不支給・書類不備時の対応アドバイス
サービスの形態は、大きく3つに分かれる。
コンシェルジュ型は、退職前の相談から受給完了まで一括でサポートするタイプ。手間は最小限になるが、料金は最も高い。個別の口コミ・評判は退職コンシェルジュの口コミと評判で詳しくまとめている。
社労士型は、社会保険労務士が個別に対応するタイプ。専門性は高い一方、社労士ごとに傷病手当金の対応経験や費用にばらつきがある。詳しくは社労士に傷病手当金を依頼する費用を参照。
オンライン相談型は、LINEやビデオ通話で相談しながら、申請自体は自分で進めるタイプ。料金は安めだが、自分で動く部分が多い。
料金体系と口コミの傾向
3つのタイプの料金比較は以下のとおり。
| サービス形態 | 料金目安 | 料金体系 | サポート範囲 |
|---|---|---|---|
| コンシェルジュ型 | 受給総額の10〜15%(目安25〜40万円) | 成功報酬 | 制度診断〜申請完了まで一括 |
| 社労士型 | 3〜10万円 | 固定料金 or 時間単価 | 書類作成・申請手続き |
| オンライン相談型 | 1〜5万円 | 月額 or 固定 | 相談・情報提供が中心 |
※ 傷病手当金を1年6ヶ月満額受給した場合の総額は月給によるが、月給22万円で約260万円。コンシェルジュ型で15%なら、約39万円がサポート費用として差し引かれる計算になる。
口コミの傾向を見ると、コンシェルジュ型は「全部任せられて楽だった」「知らなかった制度を教えてもらえた」という声がある一方、「自分で調べたら同じことができた」「料金に見合うかは微妙」という声も目立つ。
社労士型は「専門家だから安心できた」と評価される反面、「傷病手当金の実務経験が少ない社労士だった」という指摘も。社労士なら誰でもいいわけではない。
オンライン相談型は「気軽に聞けた」「安くて助かった」という評価が多いが、「結局ほぼ自分でやった」「無料で得られる情報と大差なかった」という声もある。
利用するメリット・デメリット
退職給付金サポートを利用するメリットは主に3つ。
一つ目は、手続きの手間が大幅に減ること。申請書の書き方を調べて、記入して、不備がないか確認して——体調がつらい時期にその作業を丸ごと任せられるのは大きい。
二つ目は、申請漏れのリスクが下がること。傷病手当金だけでなく、失業保険の特定理由離職者認定や国民年金の免除など、自分では気づかなかった制度を案内してもらえる可能性がある。
三つ目は、精神的な負担が軽くなること。「これで合っているのか」と夜中に検索し続ける必要がない。
一方で、デメリットも明確に存在する。
最大のデメリットは費用。コンシェルジュ型で25〜40万円。貯金が少ない退職直後にこの出費は重い。「受給額から払えばいい」とはいえ、手元に残る金額は確実に減る。
そしてもう一つ。サポート業者がやっている作業の多くは、自分で調べれば対応できる手続きだという事実。申請書は加入している健保組合のサイトからダウンロードできる。書き方の見本もある。診断書は心療内科を受診すれば取得できる。つまり、必要なのは「知識」と「少しの手間」であって、必ずしも数十万円のサービスではない。
自力で申請する場合との費用比較
サポートを利用した場合と、自力で申請した場合の費用差を比較した。
| 項目 | サポート利用(コンシェルジュ型) | 自力申請 |
|---|---|---|
| サポート費用 | 25〜40万円(成功報酬) | 0円 |
| 診断書の取得 | サポート費用に含む(実費は別途) | 初診3,000〜5,000円+診断書1,500〜3,000円 |
| 申請書類の作成 | 代行作成 | 自分で記入(用紙は無料ダウンロード) |
| 合計費用 | 約30〜45万円 | 約5,000〜8,000円 |
| 手間 | 少ない | 書類作成・提出を自分で対応 |
| 所要期間 | 申請まで2〜4週間 | 申請まで2週間〜1ヶ月(調べながら進める場合) |
費用差は大きい。自力で申請すれば1万円もかからない。サポートを使えば30万円以上。
「でも、自分でできるか不安で……」という気持ちはよくわかる。ただ、不安の正体は「手続きが難しそう」というイメージであって、実際の手順を一度見てみると印象が変わることも多い。
傷病手当金を自分で申請する方法で全手順をStep形式で解説しているので、まずは手順を眺めてみてほしい。「自分でやれそうだ」と思えたなら、わざわざ数十万円を払う必要はない。
逆に、手順を読んでも「今の体調では無理だ」と感じたなら、社労士への依頼を検討する価値はある。コンシェルジュ型より費用を抑えられる場合が多い。詳しい比較は傷病手当金は自分で申請 vs サポート利用にもまとめている。
自分で調べた結果、見えてきたこと
広告を見たときは、正直「全部やってほしい」と思った。退職したばかりで、何をどう調べたらいいかもわからない。ソファに沈んだまま天井を見つめる日が続いていた。そんな状態で申請書を書くなんて、想像するだけで胸が詰まった。
でも料金を見て、一度冷静になった。貯金は90万円ほど。ここから30万円を払ったら、傷病手当金が振り込まれるまでの2〜3ヶ月を乗り切れるかわからない。
結局、自分で調べることにした。健保組合のサイトで申請書をダウンロードして、見本と見比べながら1項目ずつ埋めていく。3日かかった。途中で「この欄、何を書けばいいの」と2回やり直した。楽ではなかった、正直に言えば。
ただ、書き終えたときに思ったのは——「これに30万円は払えないな」ということだった。
診断書の取得手順も自分で調べて、オンライン心療内科で対応できた。初診料と診断書を合わせて7,000円ほど。サポート業者に頼んでいたら、同じ結果を得るのに30万円以上多く払っていたことになる。
まとめ
退職給付金サポートには、手間を減らせるという確かなメリットがある。体調がつらいときに「全部任せたい」と思うのは自然なこと。
ただ、費用は安くない。そして申請手続きの多くは、正しい情報さえあれば自分でも対応できる。
まずは手順を一度読んでみて、それから判断しても遅くはない。
※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

