退職してから3週間。傷病手当金の存在を知って、「申請サポート」で検索した。画面に並ぶ「最大○○万円受給」の文字。退職コンシェルジュのページを開いて、料金のあたりで指が止まった。貯金が減り続けている状態で、さらに数十万円の出費——頼りたい気持ちと、払えない現実のあいだで動けなくなった。
この記事では、退職コンシェルジュの口コミ・評判・料金を整理し、自分で申請する場合との費用比較もまとめている。頼むか、自分でやるか。その判断材料になればと思う。
公式LINEでも制度まわりの情報を配信しているので、あわせてどうぞ。
退職コンシェルジュとは|サービス内容を整理
退職コンシェルジュは、退職前後の公的給付金の受給をサポートするサービス。傷病手当金や失業保険(雇用保険の基本手当)など、退職者が使える制度の申請を支援してくれます。
主なサポート内容は以下のとおり。
- 受給可能な給付金の診断
- 申請スケジュールの作成・進捗管理
- 申請書類の記入に関するアドバイス
- 医療機関の受診に関する助言
- 受給開始後のフォロー
押さえておきたいのは、申請書類を代わりに書いてくれるわけではないということ。書くのも提出するのも自分自身です。サポート業者は「何を・いつ・どの順番でやるか」を教えてくれるコンサルティング型のサービスで、社労士による申請代行とは性質が異なる。
社労士に依頼する場合の費用感は社労士に傷病手当金を依頼する費用にまとめてあります。
料金体系と利用者の口コミ
退職コンシェルジュの料金は、公式サイト上で詳細が公開されていない部分もある。ただ、利用者の口コミや公開情報を総合すると、おおむね以下のような体系になっています。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 相談・初回診断 | 無料 |
| サポート費用 | 受給総額の10〜15%程度(成功報酬型) |
| 傷病手当金を1年6ヶ月受給した場合の想定 | 25〜40万円前後 |
| 支払い方法 | 後払い・分割対応あり(※サービスにより異なる) |
※上記は口コミ・公開情報をもとにした概算です。最新の料金は公式サイトで確認してください。
口コミは、大きく二つに分かれる。
肯定的な声
- 「何から手をつけていいかわからなかったので、道筋を示してもらえて助かった」
- 「精神的に動けない時期にスケジュール管理をしてくれたのが大きかった」
- 「自分では気づかなかった制度(特定理由離職者の認定など)を教えてもらえた」
否定的な声
- 「調べればわかる内容に数十万円は高いと感じた」
- 「結局、書類を書くのも提出するのも自分。サポートの範囲が限定的だった」
- 「途中で自分でもできると気づいたが、契約後だったので費用が発生した」
共通しているのは、サービス自体の対応は丁寧だという点。ただし、費用に見合うかどうかは「そのとき自分にどれだけ動く余力があるか」に左右されます。余力がある人にとっては割高に感じやすく、動けない人にとっては伴走してもらえる安心感に価値がある。そういう構図だと思う。
メリットとデメリット
口コミと公開情報をもとに整理した。
メリット
- 精神的に動けない時期でも、やるべきことの優先順位がわかる
- 制度の見落とし(失業保険の特定理由離職者認定など)を防げる可能性がある
- 申請のタイミング管理で、受給開始が遅れるリスクを減らせる
デメリット
- 費用が高い。受給額の10〜15%で、25〜40万円になるケースが多い
- 申請の代行ではないため、書類の記入・提出は自分で行う必要がある
- サポート内容の多くは、自分で調べれば対応できるものも含まれている
- 退職直後で貯金が減っている時期に、まとまった追加出費が発生する
判断のポイントは、「今の自分に、調べて手続きを進める余力があるかどうか」だと思う。余力がゼロなら頼る価値はある。少しでも動けるなら、まず自力で情報を集めてみてからでも遅くはない。
自分で申請する場合との費用比較
退職コンシェルジュを利用する場合と、自分で申請する場合の違いをまとめました。
| 項目 | 退職コンシェルジュ利用 | 自力で申請 |
|---|---|---|
| 費用 | 25〜40万円前後(成功報酬) | 5,000〜10,000円程度(診断書料+郵送費) |
| 手続きの主体 | 自分(アドバイスを受けつつ) | 自分(情報を調べつつ) |
| スケジュール管理 | サポート側が管理 | 自分で管理 |
| 制度の調査 | 診断結果を共有してもらえる | 自分で調べる(数日〜1週間程度) |
| 書類の記入・提出 | 自分で行う | 自分で行う |
費用の差は大きい。25〜40万円と、5,000〜10,000円。一方で「書類を書いて提出するのは自分」という点はどちらも同じ。違いは、そこに至るまでの情報収集とスケジュール管理を誰がやるか、だけです。
「でも本当に自分でできるの?」と思ったら、まず傷病手当金の申請方法を読んでみてほしい。診断書の取り方は適応障害の診断書のもらい方にまとめています。手順を知れば、思ったよりハードルが低いことに気づくと思う。
業者に頼むか自力かの判断をさらに詳しく検討したい場合は、傷病手当金は自分で申請 vs サポート利用も参考にどうぞ。
自分で調べてみた結果
退職後、2週間ほどは何もできなかった。布団の中でスマホを眺める毎日。画面に並ぶ「サポート業者」の広告が、妙に頼もしく見えた。退職コンシェルジュのサイトも何度か開いた。全部お任せできるなら——そう思いながら料金ページをスクロールして、閉じた。
貯金は90万円を切っていた。家賃と光熱費とスマホ代で毎月16万円。サポートに30万円払えば、残りの猶予が2ヶ月縮まる。計算するまでもなかった。
仕方なく、自分で調べ始めた。健保のサイトを読んで、申請書をダウンロードして、記入例と見比べながら埋めていく。1日目で3分の1。翌日はペンを握る気力がなくて、1行も進まなかった。3日目にどうにか書き終えて、封筒に入れるまで丸4日。楽ではなかった。でも、できた。数十万円を払わなくても、調べる気力さえあれば自分でやれる。それがわかっただけで、少し肩の力が抜けた。
まとめ
退職コンシェルジュは、動けない時期に手順を示してくれるサービス。伴走してもらえる安心感には、一定の価値がある。
ただ、費用は25〜40万円。退職直後の貯金が減り続けている時期には、軽い金額ではない。そして申請手続き自体は、調べれば自分でも進められるものが大半。書類を書くのも提出するのも、結局は自分。
まずは情報を集めてみて、「自分で進められそうか」を確かめてからでも遅くはないと思う。
※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

