失業保険の給付日数を比較。自己都合と会社都合の差と増やし方

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失業保険の給付日数は、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かで最大240日変わります。加えて自己都合退職には原則2ヶ月の給付制限もある。

この差を知ったのは、退職を迷っていた夜のことだった。証券会社に10年近く勤めて、限界を感じていた33歳の冬。深夜にスマホで「失業保険 給付日数」と打ち込んで、出てきた数字の開きに正直焦った。

この記事では、退職理由×年齢×加入年数の給付日数早見表と、自己都合でも給付日数を増やす方法をまとめています。

失業保険制度の全体像——3つの退職区分

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)の給付日数は、退職理由・被保険者期間・離職時の年齢の3要素で決まります。中でも最も影響が大きいのが退職理由で、以下の3区分に分かれる。

①自己都合退職(一般の離職者)
転職や個人的な事情で退職した場合。給付日数は被保険者期間だけで一律に決まり、年齢は影響しない。最短90日、最長150日。原則2ヶ月の給付制限がある。

②会社都合退職(特定受給資格者)
倒産・解雇・退職勧奨など、会社側の事情で離職した場合。年齢×被保険者期間の掛け合わせで給付日数が算出され、最長330日まで伸びる。給付制限はない。

③特定理由離職者
体力の不足、心身の障害、疾病等を理由に離職した場合。一定の条件を満たせばこの区分に認定され、会社都合と同じ給付日数テーブルが適用される。給付制限もなし。自己都合退職でも、退職後に変更できるケースがある。

見落とされがちなのが③の特定理由離職者。メンタル不調や体調不良が退職の背景にあった場合、自己都合ではなくこの区分に該当する可能性がある。受給開始の時期について詳しくは「失業保険の受給開始はいつから?」を参照してください。

退職理由別の給付日数・受給額早見表

まず、自己都合退職(一般の離職者)の給付日数から。

自己都合退職(一般の離職者)の給付日数
被保険者期間 給付日数
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

年齢に関係なく、被保険者期間だけで一律。どれだけ長く働いても最大150日。シンプルだけれど、裏を返せば天井が低い。

次に、会社都合退職(特定受給資格者)および特定理由離職者の給付日数。

会社都合退職・特定理由離職者の給付日数
離職時の年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30〜34歳 90日 120日 180日 210日 240日
35〜44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45〜59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60〜64歳 90日 150日 180日 210日 240日

たとえば33歳・被保険者期間10年の場合、自己都合なら120日。同じ条件で会社都合(または特定理由離職者)に該当すれば210日。90日の差です。基本手当日額が6,000円なら、受給総額で約54万円の開きが生じる。

各区分のメリット・デメリット比較

3つの退職区分は、給付日数以外にも受給条件や関連制度に大きな差がある。主な項目を比較すると以下のとおり。

退職区分別のメリット・デメリット比較
項目 自己都合退職 会社都合退職 特定理由離職者
給付日数の上限 150日 330日 330日
給付制限 2ヶ月(※) なし なし
最初の振込目安 約2ヶ月半後 約1ヶ月後 約1ヶ月後
国保料の軽減 原則なし 最大7割減額 最大7割減額
退職タイミング 自分で選べる 選べない 自分で選べる

※5年以内に3回以上の自己都合退職がある場合は3ヶ月。

自己都合退職の最大のデメリットは、2ヶ月の給付制限。7日間の待期期間と合わせると、最初の振込までに約2ヶ月半〜3ヶ月かかる。家賃6万8千円、光熱費、通信費——一人暮らしの固定費だけで毎月12〜13万円が消えていく中、2ヶ月半の無収入は貯金を30万円近く削る計算になる。さらに国民健康保険料の軽減措置が原則適用されず、月々の負担が1万円以上変わるケースもある。

会社都合退職・特定理由離職者にはこの給付制限がなく、待期期間7日間を過ぎれば支給が始まる。国民健康保険料も最大7割減額される自治体があり、給付日数・受給開始・保険料のすべてで有利になる。

特定理由離職者は、給付面では会社都合と同等のメリットを受けられるうえ、退職のタイミングを自分で選べる。一方で、診断書の取得が必要なことと、ハローワークの判定で認定されない可能性がある点がデメリットになる。

自己都合のまま vs 特定理由離職者に変更した場合

「自分は自己都合だから仕方ない」。そう思っている人に知ってほしいのが、退職後でも退職理由の区分を変えられるケースがあるということ。

特定理由離職者に認定される条件のひとつが、「体力の不足、心身の障害、疾病等により離職した者」です。メンタル不調や体調不良が退職の背景にあれば、自己都合ではなく特定理由離職者として認定を受けられる可能性がある。

手順はこうなります。

Step 1:心療内科で診断書を取得する(オンライン受診も可)
Step 2:離職票と診断書を持ってハローワークへ行く
Step 3:窓口で「体調不良が退職理由」と申告し、診断書を提出する
Step 4:ハローワークの判定を経て、特定理由離職者に認定される

認定された場合、何がどう変わるか。比較テーブルにまとめました。

自己都合 vs 特定理由離職者の比較(33歳・被保険者期間10年の場合)
項目 自己都合退職 特定理由離職者
給付日数 120日 210日
給付制限 2ヶ月 なし
最初の振込目安 約2ヶ月半後 約1ヶ月後
国保減免 原則なし 最大7割減額
受給総額(日額6,000円の場合) 約72万円 約126万円

同じ人間が、同じタイミングで退職して、区分が変わるだけで受給総額に約54万円の差が出る。給付制限がなくなるぶん、最初の振込も早い。

認定手続きの詳細は「特定理由離職者の認定で給付日数を増やす方法」に具体的なステップをまとめています。失業保険の申請手順そのものは「退職後の失業保険の申請方法」を参照してください。

区分が変わった日のこと

自分の話を少しだけ。証券会社に10年勤めて、ある朝ベッドから起き上がれなくなった。退職届は「一身上の都合」。離職票にも「自己都合」と印字されていた。給付日数120日、給付制限2ヶ月。家賃6万8千円の部屋で電卓を叩いて、青くなった。

退職1週間後の深夜に特定理由離職者の制度を知り、翌日オンラインで心療内科を受診して診断書を取った。ハローワークの窓口で診断書を差し出したとき、指先が冷たかった。担当者は書類を確認して「特定理由離職者として処理しますね」と言った。それだけで、給付日数が120日から210日に変わった。受給総額にして約54万円。深夜に電卓を叩いていたあの自分に、教えてやりたかった。

まとめ

失業保険の給付日数は、退職理由ひとつで大きく変わります。自己都合退職でも、体調不良が背景にあるなら特定理由離職者に変更できる可能性がある。

知っているかどうかで、数十万円の差が出る制度。まずは自分の退職理由がどの区分に該当するのか。そこを確認することが、最初の一歩になると思う。

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※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

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