休職の期限が迫っている。でも、復職できる状態じゃない。会社からは「診断書を更新してください」と連絡が来た。何から手をつければいいのか、主治医にどう切り出せばいいのか——わからないまま、日だけが過ぎていく。
この記事では、復職できない場合の診断書更新方法をまとめました。ベストな更新タイミング、主治医への伝え方、会社への提出手順、オンライン再診の可否まで。公式LINEでも制度まわりの情報を配信しているので、あわせてどうぞ。
休職延長に診断書の更新が必要な理由
休職は、医師の診断書に記載された「療養期間」をもとに会社が認めている。療養期間が1ヶ月なら1ヶ月、3ヶ月なら3ヶ月。その期間が満了すれば、会社は復職か退職かの判断を迫られる。
復職できない場合は、新しい診断書で「引き続き療養が必要」と証明しなければならない。これがいわゆる診断書の更新。更新がなければ、就業規則に基づいて休職期間満了→自然退職となるケースも珍しくない。「知らなかった」では済まない手続きのひとつ。
傷病手当金を受給中なら、支給申請のたびに医師の意見書(労務不能の証明)も必要になる。つまり、休職を続けるにも、手当金を受け取り続けるにも、定期的な受診と診断書の更新は避けて通れない。
更新の頻度はクリニックや会社の方針によるが、1〜3ヶ月ごとが一般的。休職期間の上限や、復職・退職の判断基準については適応障害の休職期間の目安で詳しくまとめている。
診断書を更新する具体的な手順
すでに初回の診断書を取得している前提で進める。初回の取り方は適応障害の診断書のもらい方を参照。
Step 1:更新タイミングを確認する
まず、今の診断書に記載されている療養期間の終了日を確認する。終了日の2〜3週間前には再診の予約を入れておくのがベスト。
会社の就業規則で「休職延長の届出期限」が決まっていることも多い。期限切れの1ヶ月前、2週間前——会社によってバラバラなので、早めに人事へ確認しておくこと。逆算すると、療養期間の終了が月末なら、その2〜3週間前には再診を済ませたい。診断書の発行に最大1週間、郵送に数日かかることを考えると、余裕は思ったほどない。
Step 2:主治医に現在の状態を伝える
再診では、今の状態を正直に伝える。「復職したいとは思っている。でも、まだ難しい」。それで十分。
ただ、「まだ無理です」の一言だけだと医師も判断材料が足りない。以下の4点を事前にメモしておくと、診察がスムーズに進む。
・睡眠の状態(何時に寝て何時に起きるか、途中で目が覚めるか)
・日中の活動量(外出できるか、家事はどの程度こなせるか)
・集中力(本やスマホの記事を30分読み続けられるか)
・気分の波(調子のいい日と悪い日の比率)
切り出し方に迷うなら、「前回の診断書の期限が今月末なんですが、まだ復職は難しい状態です。診断書の更新をお願いできますか」——これだけ伝えれば、医師は状態の確認に入ってくれる。
「まだ働けない」と口にするのは、気が重い。でも、主治医は療養の味方であって、会社の人事ではない。無理に「大丈夫です」と伝えて復職し、2ヶ月で再休職になるケースは少なくない。そのほうが、長い目で見てダメージが大きい。
Step 3:診断書の発行を依頼する
「休職延長のため、診断書の更新をお願いしたいです」と伝えればいい。
確認しておきたいのは療養期間の記載。1ヶ月単位で書く医師が多いが、状態が安定していれば2〜3ヶ月まとめて発行してもらえることもある。更新のたびに費用がかかるので、可能ならまとめて書いてもらうほうが負担は軽い。会社が求める期間の単位があれば事前に把握しておくと、二度手間にならない。
オンライン再診で更新できるケース
初回からオンラインで受診していた場合、再診もオンラインで問題ない。ビデオ通話で10〜20分の診察を受け、診断書は郵送で届く。外出がつらい休職中にはありがたい仕組み。
一方、これまで対面で通院していたクリニックからオンラインに切り替えたい場合は、転院の手続きが必要になることがある。手順は休職中の転院方法を参照。
症状に大きな変化があるケース(薬の変更が必要など)では、対面での診察を求められることもある。オンライン対応の可否は、予約時にクリニックへ確認しておくと安心。
Step 4:会社に提出する
診断書を受け取ったら、人事部へ郵送する。最近はメールでPDFを送付する会社もある。
添える文面は簡潔でいい。「主治医より引き続き療養が必要との診断を受けましたので、診断書を送付いたします」——これで十分。長い経緯説明は要らない。
提出後、人事から休職延長の可否について連絡がある。延長が認められる上限は就業規則で定められている。残りの期間が少なくなっている場合、退職への切り替えも視野に入れることになる。その判断基準については休職から退職への切り替えで解説している。
更新にかかる費用と所要時間
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 再診料(3割負担) | 750〜1,500円 | 自立支援医療で1割に軽減可 |
| 診断書料 | 2,000〜5,000円 | クリニックにより異なる |
| 合計 | 3,000〜6,000円 | 1回の更新あたり |
| 診察時間 | 10〜20分 | 再診のため初診より短い |
| 診断書の発行 | 即日〜7日 | 郵送の場合さらに+2〜3日 |
初回の受診と比べると、再診は費用が軽い。初診料がかからないぶん、1回あたり2,000〜3,000円ほど安くなる。
ただし、毎月更新が必要な場合は年間で36,000〜72,000円の負担になる。3ヶ月ごとにまとめて更新できれば、年間12,000〜24,000円に抑えられる。自立支援医療制度を利用すれば自己負担が1割になるので、まだ申請していないなら早めに検討したい。初回受診の費用詳細はこちらの記事にまとめている。
「まだ復職できない」と伝えた日のこと
介護施設を休職して半年。人事から「診断書の期限が近いです」と電話があった。わかりました、と答えて切った。それだけのことなのに、手が震えていた。
オンラインで再診の予約は入れた。でも当日の朝、アプリのキャンセルボタンの上で指が止まる。10分くらいそのまま画面を見つめて、結局、布団に座ったまま診察の時間を迎えた。オンラインじゃなかったら、たぶんキャンセルしていた。
「お変わりないですか」と医師に聞かれて、「……あんまり」と返した。「働ける状態じゃないです」——その一言がなかなか出てこなかった。医師は急かさず、質問を続けてくれた。答えているうちに、自分の状態が少しずつ整理されていく感覚があった。
15分ほどで「あと3ヶ月、療養しましょう」と言われた。ほっとしたのか、情けなかったのか。たぶん両方。
一番しんどかったのは、そのあとの会社へのメール。「引き続き療養が必要との診断を受けました」。たった一文を送るのに2時間かかった。書いては消し、書いては消し。5回目でようやく送信ボタンを押した。
夕方、母が「ご飯できたよ」と部屋に来た。画面を閉じた。33歳。実家の自室で、診断書の手続きをしている自分。「もう半年だね」と母がつぶやいた。責めているわけじゃない、わかっている。でもその一言は、数日間ずっと胸の底に沈んでいた。
まとめ
復職できない状態で診断書の更新を求められると、焦る。「いつまで休んでいるんだ」と自分を責めたくなるかもしれない。
でも、診断書の更新は、休職中の正当な手続きのひとつにすぎない。主治医に今の状態を伝えて、書類を受け取って、会社に送る。やることは、それだけ。
再診の予約は、期限の2〜3週間前に入れておく。それだけで、ギリギリになって慌てる事態は防げる。まずは、今の診断書の療養期間をもう一度確認するところから。
※この記事は2026年2月時点の情報に基づく個人の体験・見解であり、法的・医学的アドバイスではありません。
制度の詳細は厚生労働省・協会けんぽ・ハローワークの公式情報をご確認ください。
心身に不調を感じている方は、必ず医療機関にご相談ください。

